豆知識

トマトの糖度を上げる方法

トマトの糖度を上げる方法

トマトの糖度を上げるにはトマトにできるだけ水を与えず、日中にトマトの葉に萎れが出来る程度にコントロールすると大玉トマトがテニスボールより小さいくらいに凝縮され糖度の高い甘いトマトが出来ます。現在はフルーツトマトを作る栽培方法にはいくつかの栽培方法があります。

  • 1. 土壌に含まれる塩分の浸透圧を利用した栽培方法

    熊本県八代のトマト産地では干拓地で育てたトマトが土壌に含まれる塩分による浸透圧によってトマトの根が水分を吸収出来ず糖度の高いトマトが出来るそうです。ここで栽培された甘いトマトがフルーツトマトの元祖です。また、高知県の徳谷トマトも同じ原理によるものです。干拓地の塩分を含む土壌でほかの作物はほとんどない状態で長年の試行錯誤により高糖度のトマト作りに成功された功績は大きいと思います。

  • 2. 水耕栽培や土壌の根域制限培地で給液量を極力抑えた栽培方法

    トマトは実が熟す頃に水を与えないと糖度が高くなることから、3段果位まで通常に育て4段果が着果する頃から給水制限をして水や肥料を与えず3段までの果実を高糖度になるようにもっていく方法です。この方法では3段果以降は実がつかないので4段果が着果した頃に頭をピンチして止めます。静岡や軽井沢で作られている「アメーラ・トマト」がこの方法です。

  • 3. 水耕栽培で根域制限を余りかけず湛液(根が液肥の中に浸かっている)栽培による方法

    トマトは根に水分ストレスを受けることによって果実に蓄える水分が減少し、果実は大玉にはなりませんがその分糖度の高いトマトになります。根に水分ストレスをかける方法として、通常より液肥濃度の濃い養液中にトマトの根が浸かってると根域全体に浸透圧が掛かることになります。この方法だと繊細なストレスコントロールができ、ストレスによる根の状態も確認出来るので樹の状態が把握でき安全です。

トマトが甘くなる理由

トマトが甘くなる理由

甘くなるトマトの一般的な栽培方法は記しましたが、それでなぜ甘くなるかははっきりわかっていないそうです。また、トマトの果実を構成しているタンパク質内にブドウ糖やショ糖等の糖分を溜め込むタンクが他の果実と比較して少ないようです。ではなぜ甘くなるのか?村松靖男著「高品質・高糖度のトマトつくり」の中で村松氏は仮説としながらこう述べています。低水分による高糖度化のメカニズムはアブシジン酸によって気孔が閉じ光合成、呼吸が低下する。これからさきは細胞内の複雑な変化になるので分からない事が多い。仮説として細胞浸透圧の上昇で細胞機能が低下する。特にクロロフィルの減少、ミトコンドリアの破壊が起こりアミノ酸からタンパク質への合成が抑えられる。これに対してアミノ酸は多くなり特にプロリン(甘味のアミノ酸)が集積してくる。これと同時にミトコンドリアの構造破壊でグルコースやフラクトコースが代謝されないまま細胞に糖として貯まる。また、植物体内の水分低下は浸透圧を高める為、デンプンが分解されて糖が増加する。

信州トマト工房の病気対策

信州トマト工房の病気対策

晩秋か早春にかけて気温が低くハウスの天窓を開けられない時期などに「灰色カビ病」や「葉カビ病」などが発生します。特に灰色カビ病は青いトマトも横の写真の様に犯し果実が落ちるので「ボト」とも呼ばれています。また、夏場では、水分の吸収が旺盛なところに、トマトを甘くする為、できるだけ水分を与えない栽培方法をとっているので、カルシウムがトマトに行き渡らずトマトの尻腐れ状態を引き起こします。対策として、「灰色カビ病」の場合は80%以上の湿度にならないように強制換気したり、定期的に殺菌剤の「ボトキラー」をダクト散布します。殺菌剤の散布は春先と晩夏以外はよほどのことがない限りやりません。尻腐れの場合は2週間もすれば収まるので対策を講じたことはありませんが、売り物にならないのでちょっと悔しいです。

信州トマト工房の害虫対策

信州トマト工房の害虫対策

トマト栽培で一番気を使うのが害虫対策です。温室ハウスではハウスの周りや天窓に0.4mmの網を張ってあるので、ヨトウ虫や青虫等の大きいものは入ってきませんが、ハモグリやコナジラミ類、ダニ類が周期的に発生します。特にコナジラミではオンシツコナジラミが春先から発生してトマトのすす病の原因を作ります。また、近頃大変問題になっているタバココナジラミ(タバココナジラミが保毒感染させる黄化葉巻病)が九州以下の温暖地域で広がりを見せています。対策としては、化学合成農薬を散布するのが手っ取り早いのですが化学農薬ばかり使っていると耐性を持った種が多くなり農薬が効かなくなってしまうともっと強力な薬剤を散布しなければなりません。そうなると唯でさえ農薬アレルギーが起こるのにこれ以上散布が続くとハウスの中に入れなくなってしまいます。病気の場合は、トマトの樹を枯らせたり、トマトを腐らせたりするカビやウイルスに拮抗作用のある菌や駆逐する菌(良性菌)を増やすことが必要です。微生物農薬はトマトを犯す悪い菌が増えすぎないように抗菌作用を持つ有用菌の生薬剤です。害虫の場合は、ハウスに0.4mm目合いの防虫ネットを張り殆どの害虫は侵入してきませんが、コナジラミ類やダニ類、アブラムシ等はこの防虫ネットをくぐって侵入してきます。これらにはコナジラミの天敵のツヤコバチを放飼したりダニ類にはチリカブリダニという天敵を放飼することで春から秋に害虫が増えないように抑えて化学農薬をまかなくてもいい状態を保っています。

信州トマト工房のお米作り

信州トマト工房のお米作り

種モミは播種してから苗が大きくなるまでにいろいろなばい菌に犯されたり、病気にかかる恐れがあります。(ばか苗病・紋枯病・縞葉枯病等)このような病気の殺菌方法は、モミを60℃のお湯に約10分漬ける温湯消毒や微生物資材(モミゲンキ)で殺菌する方法がありますが、うちでは、米のとぎ汁と砂糖を使い、「酵母菌」と「乳酸菌」を添加して醗酵液を作りその中に約2日間漬けて殺菌します。その後、零度の氷水に5日間漬け、その後徐々に水温を上げて行き、20日前後冷水に浸しエアレーションしながらモミに吸水させて発芽の準備をさせます。低温吸水から発芽させることで長野県のような寒冷地での苗の初期成育を旺盛にする事が出来、田植え後の令水田でも発根が良くなります。春先の田んぼの景観を良くする為と、岡山県の赤木歳通氏の提唱する「菜の花抑草」を実践していますが、鋤きこみ方法が悪いのか鋤きこみ後の乾土効果が出るまで長野県では時間が取れない為か現在のところ際立った効果はない。しかし、菜の花を鋤きこんだ田んぼは田植え後土がトロトロになり、それなりに抑草と肥沃度効果は出ているように思う。まあ、冬の間に流亡する窒素固定には少し役立っているようで毎年元肥の窒素を減らしても9俵は取れるし、食味値も上がってきている。